一般社団法人ケアと暮らしの編集社が、これまで企画運営や伴走支援に関わってきた2つの取り組みを、公式ホームページのプロジェクト一覧に追加しました。
今回公開したのは、東京都で取り組まれた「ウェルビーイングコーディネーター養成事業」と、能登半島地震によって金沢市周辺へ広域避難した方々を対象とした「孤独・孤立予防事業」です。
地域や取り組みの背景は異なりますが、どちらも社会的処方の考え方をもとに、人と地域の活動をつなぐ担い手を育て、孤独・孤立を予防する仕組みをつくるプロジェクトです。
東京都ウェルビーイングコーディネーター養成事業
医療機関に通院していても、地域とのつながりが乏しく、孤独や閉じこもり、社会的フレイルのリスクを抱えている人がいます。
こうした人の生活上の希望や困りごとを一緒に整理し、地域の居場所、交流、運動、ボランティアなど、その人に合った活動との橋渡しを担うのが、ウェルビーイングコーディネーターです。
本事業では、コーディネーターを医療と地域の間をつなぐ「リンクワーカー」と位置づけ、本人との面談、地域資源の紹介、初回参加の支援、参加後のフォローなどを担う人材を養成しました。
ケアと暮らしの編集社は、リンクワーカー養成講座の企画・運営や、事業の伴走支援、AIやスマートフォンを活用した地域資源とのマッチングの仕組みに関する助言などを行いました。事業を通じて、16名のリンクワーカーが養成されました。
能登半島地震の広域避難者向け孤独・孤立予防事業
2024年1月に発生した能登半島地震では、住み慣れた地域を離れ、金沢市内やその周辺で生活を続けることになった方々がいます。
広域避難では、同じ地域の住民がまとまって暮らす仮設住宅などとは異なり、避難した人がマンションや住宅に点在するため、状況の把握や、避難者同士のつながりを保つことが難しくなります。
NPO法人クロスフィールズが中心となって行った本事業では、高齢の広域避難者を主な対象として、交流の場「笑語ひろば」を開催するとともに、避難者と地域の活動をつなぐ市民リンクワーカーの発掘・育成に取り組みました。
ケアと暮らしの編集社は、社会的処方に関するアドバイザーとして、事業への助言、ワークショップの企画・運営、継続的な伴走支援を行いました。
「笑語ひろば」には256名が参加し、参加者の7割以上が新しいつながりを実感しました。また、6名の市民リンクワーカーが、避難者との関係づくりや、地域の居場所・サークル活動などへの橋渡しを担いました。
人と地域の間に、橋をかける
孤独・孤立への対策というと、新しい相談窓口や居場所をつくることが注目されがちです。
しかし、場や制度が存在するだけでは、必要としている人に届くとは限りません。本人の話を聞き、興味や希望を一緒に見つけ、地域の活動を紹介し、ときには最初の参加に付き添い、その後の様子を確かめる人が必要です。
ウェルビーイングコーディネーターや市民リンクワーカーは、専門的な支援と日常の暮らしの間に立ち、人と地域の間に橋をかける存在です。
ケアと暮らしの編集社では、豊岡市でのだいかい文庫の運営をはじめとする地域実践を基盤に、社会的処方を担う人材の役割設計、リンクワーカー養成、地域資源との連携、行政・医療・福祉・地域団体が協働する仕組みづくりに取り組んできました。
今回公開した2つのプロジェクトを通じて、都市部における孤独・孤立の予防と、災害後の地域コミュニティの再構築という、それぞれの現場での実践をご紹介します。
ぜひ、各プロジェクトページをご覧ください。
ケアと暮らしの編集社では、社会的処方、孤独・孤立対策、リンクワーカー養成、地域診断、制度設計などに関する講演・研修・伴走支援のご相談も受け付けています。

