事業概要

兵庫県豊岡市の駅前通り商店街「大開(だいかい)通り」に、住民が本とお金を出資する形でコミュニティ図書館を開設しました。通常は図書館としてだれもが利用できる一方で、ソーシャルワーカーなどの医療福祉専門職が常駐することで、医療福祉にまつわる相談をすることもできます。

だいかい文庫の役割

  1. つながりと役割が持てる場
  2. 自己表現ができる場
  3. 市民性が育まれる場

だいかい文庫では、自分の過ごし方を自分で選べます。職業や年齢に関わらずただそこにいることができるこの空間は、誰もが安心して過ごせる場所を目指しています。また孤独や孤立を感じやすい現代の日常の中で、来館者として本や人と出会ったり、お店番をすることで普段は体験できない新しい自分の役割を見出したりと、その場にいる人がケアしケアされる場の一員となっていきます。

取り組む課題

病院ではない場に医療福祉専門職がいたら?その医療福祉専門職と出会ったことで相談ができたり、健康になったりすることができたら?病院の中だけではなく、暮らしている中で、気づいたら、医療や福祉への入り口があったり、人とつながり、ウェルビーイングになる場があるといいのにといったもやもやがありました。

目指す姿

暮らしの中で、図書館に迷い込んだら、専門職がいて相談ができたり、同じ趣味を持つ仲間ができたりすること。気づかぬうちにやりたいことをその場でやったり、お店番をしたり、役割も生まれていること。

数字でみるだいかい文庫

  • 2024年11月までに、17600人以上が図書館として利用し、うち1300人以上が気軽に相談し、130件の伴走支援を実施。孤独孤立、失業、メンタルヘルス、グリーフケアなどの多様なジャンルの相談に応じており、必要に応じてサービスやコミュニティにつなげています。
  • だいかい文庫の中でもお店番等を実施することで、うつ病や失業からの社会復帰の一過程となったり、孤独な来館者同士が友人になるきっかけになるなどの場にも発展しています。
  • だいかい文庫の機能は、英語論文の形でまとめており、地域住民と地域に与える影響と機能がわかっています。図書館にある「居場所」、「魅力的な空間デザイン」、「多様なアクセスの設計による参加支援」、「多様な役割の選択可能性」、「相談機能」があることで、「ソーシャルサポート」、「エンパワメント」、「相互の信頼」といった個人への影響と「世代・属性を超えたつながり形成」、「共創」、「ソーシャルインパクト」といったコミュニティへの影響につながっています。

活動レポート

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