2025年6月27日
一般社団法人ケアと暮らしの編集社 理事会
はじめに
平素より大変お世話になっております。6月21日付で段階的に公表いたしました「当面の間の事業活動のすべてを停止する」との決定につきまして、当初、具体的なご説明を控えさせていただいたことで、皆様に多大なるご心配をおかけし、様々な憶測を招く事態となりましたことを、まずもってお詫び申し上げます。
本報告書では、事業停止に至った経緯と、理事会としての判断について、具体的な説明を当初控えた理由も含め、ご報告いたします。
事業停止に至った経緯と代表理事への処分
調査の概要と事業停止を急いだ背景
当法人は、スタッフの依頼に基づき、2025年5月29日より、第三者を交えたハラスメントに関する調査を開始いたしました。調査の結果、代表理事でありました守本陽一による、長期間にわたる複数のスタッフへのパワーハラスメント行為の事実を確認いたしました。この行為は一部スタッフに深刻な精神的苦痛を与え、就業環境を著しく悪化させるものでした。調査からは過去にも同様の背景を持つ退職者・関係者が複数人いたことが確認されております。
この調査結果を受け、当法人は組織として健全な運営を継続できない慢性的な機能不全の状態にあると判断いたしました。スタッフ、利用者・関係者の皆様に不利益が被らないための迅速な判断が求められる中、被害を受けたスタッフへの二次加害を避けるため、一刻も早い環境整備、すなわち事業停止を行う決議を6月14日に行いました。
本報告書の公表に至った経緯
6月21日付で公表しました通知においては、被害を受けたスタッフへの二次加害を避けるため、理事会の判断のみで状況を露わにすることを避け、スタッフの心身を守る選択を行いました。当初、具体的な経緯のご説明を控えさせて頂いたのはこの理由からです。
しかしながら、「具体的な経緯」の公開の望む声を受けまして、理事会として本報告内容を公開する段にてスタッフ1人1人への聞き取り、二次加害に当たる可能性がないかの確認を慎重に行い、許可を得て公開に至っております。
代表理事への処分と理事会の責任
これらの事実を重く受け止め、代表理事 守本陽一より辞任の申し出があり、6月26日付で理事会はこれを受理いたしました。あわせて理事会は、法人全体の事業停止とは別に、個人の重大な責任を明確にするため、守本氏に対し、理事としての業務執行を今後少なくとも2年間停止するという処分を科すことを決議いたしました。
また、元代表理事である守本氏においては、適切な治療を受け、自らの言動が他者に与えた影響の重大性を深く理解し、内省するための時間を十分にかけることとなります。
なお、現理事会については、ハラスメントを未然に防げなかった監督責任を重く受け止め、本事業停止に伴う然るべき資産等の整理・精算後、刷新を行う所存です。
今後の活動方針との判断理由
事業停止の発表後、あらゆる方々からだいかい文庫を始めとする事業そのものの価値を惜しみ、継続を望む声が寄せられております。また、利用者の皆様への責任というご指摘も真摯に受け止めております。
また、ご寄付者様、並びに多大なご厚意で当法人への活動へのご賛同、ご理解を賜っておりました方々におかれましては、信頼を裏切る行為となってしまったこと、重ねてお詫び申し上げます。
理事会として慎重に協議を重ねた結果、本法人を母体として事業を再開することは、スタッフの安全な環境を保証するという我々の責務を全うできないため、当面は不可能であると改めて判断いたしました。ハラスメントが発生した組織体制そのものを維持したまま活動を継続することは、被害の再発や回復の阻害という看過できないリスクを伴います。代表理事の辞任と処分のみでは問題の解決には不十分であると考えているということでもあります。
私たちが今果たすべき責任は、性急な再建ではなく、まずは今回の事態を招いた組織体制に一つの区切りをつけ、これまで育まれた活動の価値が将来、別の健全な形で引き継がれる可能性を閉ざさないよう、誠実に対応していくことだと考えております。
その具体的な措置として、主要事業でありました「だいかい文庫」は、2025年6月30日の事業停止をもちまして終了とさせていただきます。
今後の対応について
法人格は継続し、事業停止期間中もご支援いただいた資産は定款に従い適正に管理いたします。関係者の皆様にご迷惑をおかけすることのないよう、事業停止に伴う諸手続きを誠実に履行して参ります。
本件の経緯には、個人のプライバシーに深く関わる情報が含まれております。これ以上の詳細な公表は、関係者への二次被害を招く懸念があるため、本ご報告をもちまして当法人からのご説明の全てとさせていただきます。
また、本件に関わる全ての個人(元スタッフ、理事を含む)に対する誹謗中傷、プライバシーを侵害する行為、その他一切のハラスメント行為は、断じておやめください。万が一、そうした行為が確認された場合には、法的措置も視野に入れ、厳正に対応いたします。皆様の冷静なご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
なお、当法人の方向性については、随時法人公式ホームページ上にてご報告をさせていただきます。 この度は、皆様の信頼を損なう事態を招きましたことを、重ねて深くお詫び申し上げます。
一般社団法人ケアと暮らしの編集社
理事会
守本陽一、孫大輔、藤岡聡子
(監事:大槻恭子)
【連絡先窓口】:cs@carekura.com
一般社団法人ケアと暮らしの編集社
事業停止に係る担当者 理事 孫・藤岡 宛
※重ねて、本件の経緯には、個人のプライバシーに深く関わる情報が含まれております。これ以上の詳細な公表は、関係者への二次被害を招く懸念があるため、本ご報告をもちまして当法人からのご説明の全てとさせていただきます。 お問い合わせいただきましてもこれ以上お答えは出来かねます。ご承知おきくださるようお願いいたします。