ケアするまちをデザインし、街で暮らすことで気づいたら
ウェルビーイングになっている地域社会をつくります
取り組む課題
暮らしの中のケアがなくなり、
孤立・孤独化する社会
国の調査によると、日本では約5割弱の人が孤独感を抱えていると言われています*。ただ単に孤独があるだけではなく、困難な社会的な状況によって、孤独が加速しています。あの人は孤立していないだろう、大丈夫だろうと思っていても、実は孤独感を抱える人は身の回りにたくさんいるはずです。しかし、孤立・孤独への処方箋は届きにくい現状があります。
60代のAさん
不安で何度も受診してしまう
地域のクリニックに受診した60代のAさん。医学的には問題ないけど、不安で何度も受診してしまうようです。私たちの団体につながって、よくよく話を聞くと、Aさんなりの事情がありそうでした。
妻がなくなってから話をする相手がいないんです。ずっと仕事一筋だったけど、仕事も辞めてから、ひとと話すといったら、妻と話すくらいで。家事も大変だし、悩みも話せない。クリニックの先生が話を聞いてくれるからついつい何度も受診してしまったんです。
10代のBさん
誰に相談すればいいかわからず、生きづらさを抱えている
私たちが運営する私設図書館にふらっときた若い10代の女性。ずっともやもや生きづらさを抱えているとスタッフに吐露してくれました。仕事が合わなくて辞めてしまって。これまで勉強も部活も頑張ってきたから、仕事で失敗するとは思わなかったんです。この先、大丈夫か不安です。両親とは仲良くないし、友達も今はみんな順調だし、誰に相談すればいいかわからなくて、私ひとりだなって。
ケアくらの役割
暮らしの延長線上にケアへの入り口を置くことで、
つながりや表現ができるケアするまちをデザインする
わたしたちが目指すのは、気づいたらウェルビーイングになっている社会です。それは、誰でもが日常的に暮らしている中で、自然につながりが生まれ、本人なりの形で社会との関わりを見つけ、本人が望むよりよい状態(ウェルビーイング)になっている社会です。わたしたちは、孤独・孤立を個人の問題・責任にせず、社会の側が変わることが大切だと考えています。当事者、市民、医療福祉専門職、行政、ソーシャルセクター、まちに暮らすさまざまなプレイヤーの可能性を信じ、関係性を網押すことで、孤独孤立を予防し、共にケアし、ケアされる関係性を作ります。
VISION
実現したい社会
街に暮らすことで、気づいたら
ウェルビーイングになっている
地域社会
誰もが日常的に暮らしている中で、自然につながりが生まれ、本人なりの形で社会との関わりを見つけ、本人が望むよりよい状態(ウェルビーイング)になっている社会を目指します。
MISSION
私たちの役割
ケアするまちを
デザインする
わたしたちは、楽しそう、面白そうといったポップな感情を大切にしつつ、図書館やカフェ、学びの場といった日常の暮らしの導線上にケアへの入り口を置くことで、気づいたら相談していた、健康になっていたという場を作っています。
地域の中から失われた
ケアをまちに編み込む
暮らしの中にケアの場を作る活動と、全国にケアするまちを広げる活動の2軸で行っています
暮らしの中にケアの場を作る活動
- 兵庫県豊岡市等での
ケア拠点の運営 - ケア的なマインドが
発露される機会づくり
全国にケアするまちを広げる活動
- ケアするまちを作る
プレイヤーらを支援 - 自治体、企業との
連携・政策提言
ケアくらが大切にしていること
わたしたちは、ケアを生きることを肯定する営みだと捉えています。わたしたちは、生きることを肯定し、暮らしの中のウェルビーイングをつくっていきます。
ウェルビーイングとは、単にネガティブな状態でないことだけではなく、体と心が健やかで、生活がより豊かな状態であることを指します。孤独という健康課題を解決するための処方箋として、暮らしの中にケアの入口を作ることが重要だと考えます。
それは、気軽に相談できることだったり、相互に信頼できるコミュニティにアクセスできることだったり、誰かと本や映画など好きなことや興味関心でつながることだったり、好きなものを話したり表現することだったり、自分はやっていけるんだという感覚を持つことだったりするはずです。
小さな願いを肯定し、自分らしい営みや表現活動ができる地域社会をつくるプレイヤーであり続けたいと考えています。
1
一番遠くにいる人を
気にかける
気にかけることは、ケアの第一歩です。目の前にいない人も今どうしているかな?声をかけてみようかなと気にかけることを心に留めます。
2
つながりを共に創る
一方的につながりを押し付けるのではなく、市民や当事者と共に信頼し合いながら、つくっていく過程を大切にします。
3
表現を後押しする
小さな願いを肯定し、市民も専門職も誰もが自分らしい表現ができるよう背中を押します。
4
ケアするされるを超える
関係性をつくる
ケアする側、される側と分けず、横並びになったり、時に関係性が逆転したりする瞬間や関係性を大切にします。
5
当事者性を醸成する
誰もが損得勘定なくやろうと思える内発性が育まれることを大事にします
法人名・ロゴに込めた想い
暮らしの中にあるケアを
再構築していく
わたしたちは、生きることを肯定するケアの営みは、まちの中に存在していると捉えています。仕事でのストレスを行きつけのカフェで話を聞いてもらったことで落ち着いたり、家族や友人を亡くし落ち込んでいても、ご近所さんや友達と話し共にいる日常があることで回復したりしていくプロセスは今の地域社会にも存在しています。
ただ社会構造の変化によって、暮らしの中に、そういったケアし合う場やまちが減っていっているのではないかと私たちは考えています。仕事と暮らしが分断され、家族と地域社会が分断されている中で、暮らしの中にあるケアを再構築していく必要があるはず。
私たちは、昔の同質性の高い関係性に戻るのではなく、楽しい、面白そうというポップな感情を大切にし、その入り口の先に、自然に暮らしの中でケアし、ケアされている関係性をつくります。
いうなれば、暮らしの中にケアを編み直す。それが私たちの役割だと考えています。ケアと暮らしの編集社という名前はそうして生まれました。少し長い名前なので、「ケアくら」と呼んでください。
代表メッセージ
私が病院で勤めていたときの話です。
軽症にも関わらず、何度も受診する60代の男性がいました。この程度の症状が病院にかかる必要はありませんよ、救急車を呼ぶ必要はありませんよ。そう伝えても、何度も同じことが起きました。よくよく話を聞くと、妻を亡くし、自分の病気の不安を誰にも打ち明けることができず、押しつぶされそうになりながら、救急車を呼んでいたそうです。
彼の受診の原因は「孤独」でした。しかし、病院の中にいては、孤独を解決することはできませんでした。
そんなとき、薬ではなくつながりを処方する「社会的処方」という言葉に出会いました。私たちは、社会的処方を社会実装するために、2016年に医療者で移動式屋台を引いてカフェを始めました。白衣を脱いで地域の方とお話してきました。その後も映画館とのコラボイベントやアート作品への出演等の活動を続けながら、まちとケアの橋渡しになってきました。
ケアと暮らしの編集社は、”ケアするまちをデザインする”をミッションに、街に暮らすことでウェルビーイングになっていく社会を作ります。
医療介護関係者のみならず、街に暮らす人々とともに、実現していきたいと思っています。そのためには、まちづくりやアート、デザインといったこれまで医療とは遠いとされてきた分野の方ともコラボします。面白そう、楽しそう、美味しそう、そんなポップな感情も大切にしながら、まちの健康を作っています。
「暮らしていたら、自然と健康になっていた」ケアとまちづくり活動を実践していくことで、街全体を健康にしていくのが弊社の役割です。
一般社団法人ケアと暮らしの編集社 代表理事
守本 陽一
兵庫県豊岡健康福祉事務所企画課/兵庫県養父市出身/医師/修士(芸術)
暮らしの中にケアが溶けている地域社会をともにつくる仲間になりませんか?
ケアくらが目指す未来をともに作っていく仲間を募集しています。
「ケアくらメイト(継続寄付会員)」やコミュニティへの参加など、あなたにあった関わり方を選んでください。